AttilaTaroの日記

その日聴いた音楽などの記録

2023年ベスト

お疲れ様です。

本年にリリースされた音楽の中で、私が聴いてよかったものを発表するコーナーです。

ランキングではないので、順番は良さの序列を表していません。

今年は合計12枚です。

 

  1. STORMO - 『Endocannibalismo』

イタリアの激情ハードコアバンド、通算4枚目のアルバム。2023年の年明けにリリースされ、本年のベストに入ることを確信した1枚。2005年に結成され、2014年にリリースした1stアルバムを機にConverge、Full of Hell等と共演、以降2,3 年に一度のペースでスタジオアルバムを制作し今に至る。

前作の『Finis Terrae』(2019)にてすでに中弛みは完全に排除され、非常にソフィスティケイテッドな作品に仕上がっているが、更に彼らはこのアルバムで自己ベストを更新していると思う。

ソリッドかつドライなギターリフ、瞬発力に溢れ曲全体をドライブさせるリズム隊、そしてイタリア語のボーカルから放たれるアジテーションに近い叫び、その全てが進化している。緩やかで儚げなイントロから、空気を切り裂いて始まる1曲目「Valichi, Oltre」は衝動と解放を行き来する緩急が凄まじい。頻繁に差し込まれるテンポチェンジはブレイクダウン的に聴こえるものの、ハードコアの定型には収まらないアイデアを感じさせる所が素晴らしい。3曲目の「Sorte」は幽玄な琴の音色から一気にヘヴィなグルーヴを展開し、ひたすら低音を這いずり回るにも関わらずダンサブルな直情性も感じさせる(途中で挟まれるギターソロがあまりにも美しい!)。更にそこからノータイムで繋がる4曲目の「Spire」はイントロのギターリフからそれ以降のリズム、展開も含め全てが捻れたような異空間を表現する一曲で、他の激情ハードコアとは一線を画す屈折さが表れている。表題曲でもある7曲目「Endocannibalismo」も、シンプルなリズムからスタートするもそれらを徐々に破壊し、後半で不穏なギターリフで全て回収していく構築と破壊の妙が光る傑曲。

全体を通してギターラインが素晴らしく、メタル色の強いソリッドな低音のリフを連発しながらもその中に砂上の楼閣のように美しく脆い音像を含んでおり、そのいずれもが耳に残りやすい。旧来のエモ・激情に規定されていたギターの叙情性から完全に乖離した荒涼さを鳴らし続ける孤高の存在。

 

  1. xonto - 『Orbis

東京のハードコアバンド、前作『robot a』(2021)に続く4曲入り2作目。

メンバーの以前のキャリアからxonto自体も激情ハードコアととりあえず言われることが多い気がするが、今作ではエモバイオレンス的な雰囲気を感じさせる曲は(一聴すると)無く、スローでグルービなハードコアと表現するのが最も近いように思う。が、完全に既存のフォーマットから逸脱しているゆえに、どこから見ても新しい面があり、聴き手側がさまざまな文脈で読み解くことができる一作になっている。

1曲目の”Signal”は叩きつけるようなメインのリズムの上に、不思議と耳に残るような絶妙な熱量の声が自在にボーカルラインを乗せ展開していく曲。前々からライブでも披露されており、個人的にずっと音源で聴きたいと切望していたため今回収録されて非常に嬉しい。各楽器と声がアンサンブルとして機能するというよりも、ギター、ベース、ドラムの楽器隊が一つのうねりを生み、その上でボーカルが遊んでいくイメージはロックから離れたエレクトリックミュージックやHIPHOPのフォーマットなのではないかとも感じさせる。すなわち細かいこと考えなくても体が動きまくる一枚。

 

  1. OLTH - 『every day is sOmeOne's speciaL day』

ニューヨーク出身の激情ハードコアバンド。Zegema Beachからリリースされた1stアルバム。

ショートチューン連発型でギターワークやリズムもプリミティブに近いがサウンドスケープが現代的、2023年の音になっていて単純に聴きやすい。ボーカルは絶叫に近くブラックメタルに近しい雰囲気も感じるが、曲の雰囲気は徹頭徹尾アッパー系で、想起するならJeromes Dream辺り。とにかくシンプルだがやってて楽しいだろうな〜という気持ちになれる。インタビューで”Screamo's cool, because it's always been an excuse to do whatever the fuck you want.”と語っている通りの音。

個人的に一番好きな曲は3曲目の” sOmebOdy TeLL me, am i aLOne”、キャッチーかつ盛り上がれる箇所がたくさんあって楽しい。

Skramzと言っていいかわからないが、ナードっぽいところも含めてマインドはSkramzだと思う。2023年ベストSkramz!

 

  1. Portrayal of Guilt - 『Devil Music』

2017年結成、米国のロックバンド(とあえて言う)。前作の『CHRISTFUCKER』(2021)に続く4作目。

初期作はエモバイオレンス、スクリーモ的な要素もあった彼らだが、近年は完全に容赦の無いブラッケンドなハードコアを展開する。ただブラックメタル(というかメタル)にあるような形式美には一切傾倒せず、テンポチェンジや変態的なギターワークを多用する点が特徴的。

本アルバムは10曲から構成されるが、後半の5曲は前半5曲をオーケストラ的音像で再構築したものになる。かつ、前半5曲も元は1つの組曲だったのではないかと思わせるようないでたちで、一聴すると曲の切れ目は認識しづらい。このあたりはDeathspell Omega的な、ブラックメタルと実験的なアプローチを両立させる試みをしているような雰囲気も感じる。とはいえ小難しいことを考えなくとも、1曲目を再生した瞬間から放たれる圧倒的にEvilな音像とハードコア的な音の気持ち良さでガッツリ聴き通せる作品。

1曲目”One Last Taste of Heaven”はスロー〜ミッドテンポと疾走パートが目まぐるしく入れ替わるが、そのどれも既存のメタル・ハードコアの文脈に沿っていない異常性が滲み出ている。2曲目の”Untitled”も異質なギターワークの反復ののちにビートダウン的なパートへなだれ込む曲で、前作最後の”Possession”に近い雰囲気も感じさせる。終盤でも4曲目の突発的なブラストビートから5曲目”Devil Music”冒頭ではヘドバン不可避なパートに突入する等、常軌を逸した発想を上手く1曲にまとめ上げる卓越したソングライティング力を感じることのできる一作。かなり悪魔に近いと思われるボーカル、妖しさ満点のアルペジオから荒涼としたトレモロを奏でるギター、ビキビキしたベース、圧倒的な鈍重さと異常に小回りのきくタムワークを両立させるドラム、その全てが過剰ながら不思議なバランスが取られている。

邪悪さ全開のジャケットとド直球のタイトルも潔くてカッコ良い。来日公演も素晴らしかった。

 

  1. View From The Soyuz - 『Immaculate』

2021年結成、東京のハードコア/メタルコアバンドの5曲入りEP。

90年代〜00年代初頭のメタルコアを想起させるようなリフワークの妙が特徴だが、テンポチェンジからのビートダウンパートなどハードコアな作りも持ち合わせているハイブリッドなバンド。メタラーかつビートダウンハードコア大好きなので今年めちゃくちゃ聴いた。

1曲目の”Chronostasis”はインストのイントロ曲だがここからすでに名リフが炸裂し、2曲目の”Caligula”になだれ込む流れが美しい。NUMBのボーカルが客演で参加している3曲目は、メタルコアでありながらもNUMBのエッセンスも感じさせるような小気味良い跳ねたリズムが聴いていて気持ち良すぎる。4曲目の”Sky Burial“はモロにあの頃のメタルコアキラーチューン。最後のギターソロからのブレイクダウンの流れは完全に涙できる。

 

  1. KRUELTY - 『Untopia』

2017年東京結成のバンド、2枚目のフルアルバム。

KRUELTYの音楽を一言で表現するのは意外と難しいが、ビートダウンハードコアにデスメタルの要素を多分に入れ込み、最新型のサウンドスケープでぶちかます、超強い敵みたいな音楽。

前作『A DYING TRUTH』(2020)も素晴らしかったがこちらもめちゃくちゃ聴いた。体を揺らせる瞬間的な良さだけでなく、4分超の曲でもじっくり聴き込める曲構成の妙がある。モッシュパートへの繋げ方やギターリフが非常に多彩。ボーカルも一辺倒ではなく、デスメタルらしい低音のグロウルと、偶に差し込まれる高音のシャウトのバランスが良い。また、デスボイスながら日本語詞が結構聴き取れるところも大きなフックになっている。

“Burn the System”や”Reincarnation”等で聴けるギターソロも東洋的な空気を感じて良い。ジャケットも含めて、世界基準でありながらどこか和を感じるエッセンスがある。

 

  1. Sunami - 『Sunami』

米国カリフォルニア出身のハードコアバンド、2019年結成。これまでにもGULCHとのスプリットやEPを何枚かリリースしているが位置付けとしてはこれが1stアルバム。

とにかくギターリフがザクザクしていて最高、リズムもノリやすくボーカルが扇情的、モッシュしたくなる、これに尽きる。出自はハードコアだがHands of GodやGULCH等と比較するとギターワークがスラッシーで聞き応えが抜群にある。ドラムフレーズの音の入り抜きも絶妙で気持ち良いところで落としてくれる。最後の”Defraud”でリズムチェンジするところ最高。

 

  1. Sanguisugabogg - 『Homicidal Ecstasy』

2019年結成、米国オハイオ出身のデスメタルバンド。

ドロッドロにダウンチューニングされたギターと金物鳴りまくり、ツーバス踏みまくりのドラム、嘔吐系ガテラルをブチかますボーカルで、全体を通してゴアに接近したオールドスクールデスメタルという印象。こうしたジャンルはともするとアルバムの尺では流石に平坦になってしまいがちだが、曲によってドラムフレーズの妙でモッシュを誘発するハードコア的なパートもあり、センスに富んだソングライティング力を感じさせる1枚。スローなパートが中心だが急にブチギレブラストを始め出すパートはドゥームデスの影響も垣間見られる。

個人的なフェイバリットは4曲目の”Testicular Rot”、ズルズルとしたギターリフからぬるっと始まる曲だが、しっかり聴いているととにかくドラムのフレーズが凝っていて「ここでその音欲しかった」というツボを的確に突いてくる技巧がある。デスメタルはライドシンバルとスネアが命だと思っているがそれを再認識した。

MVやSNSを見る限りかなりユーモアもあるバンドで、割と自分達をメタで捉えているところがありそうな点も良い。

 

  1. $uicideboy$ & Shakewell - 『SHAMELESS $UICIDE』

$uicideboy$は米国ニューオーリンズ出身のラップデュオで、従兄弟同士のRubyと$crimによって構成される。Shakewellは米国のラッパーで、かつてはBetrayalというハードコアバンドに在籍していた。この『SHAMELESS $UICIDE』は、$uicideboy$とShakewellの共作で発表された6曲入りEP。

これがもうとにかく最高。異常に内省的なリリックは相変わらずだが、前作『Sing Me a Lullaby, My Sweet Temptation』の雰囲気を継承し、トラック自体は何かから解放されたかのようにクリアで、晴れ空の下にいるような明るさを感じる。1曲目の「SHAMELESS $UICIDE」は早朝、目が覚めた時のように洗練されたメロディから始まり、からりとしつつもどこか空虚さの漂うラップが展開される。2曲目の「Whole Lotta Grey」では完全な覚醒が訪れ、スペーシーなトラックと体に訴えかけるフックと甲高い煽りで盛り上がりを迎えるが、そのテンションのまま3曲目に繋ぐ流れも絶句するほど素晴らしい。中盤の曲では不穏なトラックにバチバチハイハットの連続音が連なり、初期$uicideboy$的な側面も顔を覗かせる。

そして最後の「Big Shot Cream Soda」だが、これがもう就寝に向かうようなまどろみの中で徐々に終焉を迎えるような落ち着きを見せるトラックになっている。直接的な攻撃性は無いものの、現世に対するシニカルさ、諦観、空虚さ、解脱、といった要素を感じさせるハイ・ディメンションな一作になっている。

彼らは今年、四季をテーマにした4つのEPを驚くほどのハイペースでリリースし、かつ3曲入りの音源も出している(しかも全部良い)という化け物なので是非聴いてみてほしい。そして来日希望。あとマーチも欲しい。

 

  1. JJJ - 『MAKTUB』

川崎出身のラッパー。

昨年リリースされた名古屋出身のラッパーC.O.S.A.の曲”Sunday Freestyle”で客演していたことでJJJを知り、このアルバムにたどり着いた。

ハイクオリティかつシンプルで、客演の味も最大限引き出すようないぶし銀的アルバム。金を稼いで女を抱いてドラッグをやるぜ的なラッパーの曲を完全に聴けなくなったので、このアルバムのように実直で素直な言葉を吐いてるラップが一番落ち着く。

 

  1. John Tremendous - 『Welcome to Ultra Space World- Shitty Suburban Sounds from Chiba 2011-2023』

John Tremendous' Soft Adult Explosionを率いるジョントレ氏のソロプロジェクト。13年間にわたり作成されてきた数々の曲を再録・収録した総集編的アルバム。

曲の特徴としてはとにかく一曲が短い、部屋で一人で録音したようなプリミティブなギター演奏に合わせあまりにもダイレクトな歌詞を歌い上げる、というもの。私が好きな曲に「学歴コンプ」があるが、これは哀愁漂うギターコードから始まり、「俺の親父は学歴コンプ〜♪」と歌うマスターピースだ。そこから「いい歳こいて青山学院大学をアホ山と言って未だに見下し続けている〜♪」というリリックと共に軽快な笛の音がカットインしていき、76秒ほどで曲は終わる。

また、「Don’t play パスドラ in 祖父母家」も名曲だ。「せっかく祖父母の家に来ているのだから、パズドラで遊ぶのはやめてもっと祖父母とコミュニケーションを取るべきではないか」というメッセージを伝える歌詞が非常に刺さる。バッキングで鳴らされるフリーキーなギターソロも曲調に彩りを添えている。

全体として、コミックバンドと一口に括ることを許さないような芳醇さがある。ギターロックからソウル、プログレ、パンクまで全てを包摂するような豊富な曲調と、自由奔放な演奏力(発想力)、そして聞き手に情景を一瞬で明確に想起させる歌詞。それを詰め込んだ35曲42分。多くのバンドが「ジャンル」「体裁」にある程度は包摂されながら演奏をしていると思う。それをこの音楽は破壊しに来ている。長たらしい前奏も繰り返しも無く、結論をそのまま突きつけているという意味で、Napalm Deathと通底するものすら感じる。

そして、自分が思うのはこれは「日記」としての曲、という新たな表現形態なのではないか、ということだ。遥か遠く成し遂げたい目標がある、どうしても忘れられない思いがある、それを原動力に曲を作る、それもいいだろう。だが、人は日常の中を生きている。日々頭の片隅で思っているが、1週間後には絶対に忘れてしまうこと。それを「音楽」という形にすることで、備忘録として機能するだけでなく、添えられたギターリフ、メロディと共に「普遍」として残り続けていくものなのではないか。そういう毎日が素晴らしいよね、と思うような作品だった。

 

  1. sukekiyo - 『EROSIO』

DIR EN GREYボーカルである京のソロプロジェクト。通算4枚目のフルアルバム。

過去作は聴いていた。が、今までのsukekiyoに対するイメージはあくまで『DIR EN GREYの京のサイドプロジェクト』だった。もしくは、『京の歌の上手さをひたすら認識するバンド』だった。

sukekiyoへの見方が変わったのは2023/9/4、渋谷O-EASTにライブを観に行った時。超人的な演奏力と、DIR EN GREYとはまた違う形でその異常性を表出させる様に圧倒されてしまった。また、ライブで披露されていた『EROSIO』の各曲が非常にバラエティに富んでおり、過去曲から想像していたバンドへのイメージが大いに覆された。

1曲目の「Margaret」は美しい鍵盤の旋律から始まり、壮大に京が歌い上げる、つまり普通ならアルバムの最後に入れるような曲だが、これを1曲目に持ってきてしまう(しかも、めちゃくちゃいい曲だ)。6曲目の「MOAN」なんか完全にメタルやV系の枠を逸脱した80年代J-POP、近未来テクノに近しい衝撃的な曲で、これをライブで観て自分は完全に打ちのめされてしまった。7曲目の「グロス」のイントロはロックマンゼロ・ZXあたりの空ステージを思い出すようなポストアポカリプス的音像で泣いてしまいました。と思えば9曲目の「畏畏」は全編走りまくり、ライブで何も考えず頭振れるタイプの曲。最初から最後まで全く飽きることのない、形容し難い素晴らしいアルバム。

個人的にこのアルバムで、いや2023年で最も衝撃だったのは2曲目の「訪問者X」。9分にわたる長尺曲だが、繰り返されるテンポチェンジと複雑すぎるバッキングフレーズ、それに脳に焼き付く京のボーカルラインがこれでもかとばかりに展開される最高の曲だ。あぶらだこやTOOLを想起するような奇怪なリズムと卓越した演奏力、そして中毒性ある歌…。それらが螺旋を描いて崩壊寸前まで構築されたのち、終盤に訪れるカタルシス。これが2023年最高の曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=kn-U0I_T_rA

 

 

【2023年 LIVE】

今年は比較的ライブを足繁く観に行った1年だと思う。数えたら、以下22公演行きました。軽くひとことコメントを書いてみたので、併せてお読みいただけると幸いです。

※は自分が出演したもの。

 

3/12『UNDONE』新宿Antiknock 

・heaven in her arms

・ENSLAVE

・Cleave

ヘブン観に行った。ビビるくらいかっこよかった。ヘブンのマーチのコーチジャケット着てたら、帰り際にボーカルの人に「良い服着てるね!」って話しかけられて無茶苦茶びっくりした。

 

5/3『Gillian Carter Japan Tour』下北沢ERA

・Gillian Carter

・lang

・sans visage

・MYY.

langめちゃくちゃ良かった。Gillian Carterで一番好きな”The Pain of Being Awake”やってくれた時、暴れすぎて気持ち悪くなるくらいテンション上がった。

 

5/21*『Break Shot Vol. 1』吉祥寺WARP

・Angry Son

・biliardo

・Find Me Alone

・lilyray

・nhomme

・NINJA BOYZ

・soccer.

・Zanjitsu

自分がAngry Sonに入ってから初のライブ。ベースボーカルが難しすぎた。あと本番前リハしていてnhomme観られなくて泣いた。

 

5/26『Portrayal of Guilt Japan Tour』小岩Bushbash

・Portrayal of Guilt

PALM

・KLONNS

・ABIGAIL

・Nervous light of Sunday               

何よりPortrayal of Guiltの音が凄すぎた。スネアが鳴るたびに空間が揺れていて怖かった。ライブ見る前にほとんど予習していなかったが、その後音源含めてどハマりした。

 

6/25『孔雀録』なかのZERO小ホール

東京ホテイソン(ワンマン)

漫才だけじゃなく、OPとか幕間のVがすごく作り込まれていて感動した。

エントランスにショーゴが描いた絵が置いてあったんだけど、ゲルハルトリヒターみたいな作風でツボった。

 

7/15*『僅かな灯火』小岩Bushbash

・poetry of torch

・tattered the wall

・Gensenkan

・agak

agakがマジでカッコ良かった。最初の曲の後半でギターソロが入るんだけどそれが最高。

https://www.youtube.com/watch?v=3gv7RRfWvbg&list=LL&index=12&t=374s

 

8/5*『HAERERE & herside split release show』新宿NineSpices

・HAERERE

・herside

・Gensenkan

・xonto

・raika

・SPOILMAN                                  

多くは語らないけどこんな素晴らしいイベントに呼んでいただいたことに感謝。打ち上げもめちゃくちゃ楽しかった。

 

9/1『だから、そのうち』渋谷Spotify O-EAST

・sukekiyo(ワンマン)

『EROSIO』の項でも語ったけどこのライブを機にsukekiyoに本格的に没入した。帰りに渋谷のGOLD RUSHで久々にハンバーグ食った。

 

9/17『OHM』心斎橋HOKAGE

・SWARRRM

・Birushanah

・Greenmachine

・老人の仕事

・The Bornbarfrust

関西旅行がてら、SWARRRMレコ発関西編を観に行った。The Bornbarfrustが10分近くの曲1本だけでやり切る姿を見て感服。老人の仕事フロアぶち上げすぎた。”月世界”聴けて良かった。

 

9/22『Bloodaxe Festival 2023 Pre Show』新宿Antiknock

・SUNAMI

・Pain of Truth

・FIGHT IT OUT

・DOZEONE

SUNAMIがついに来日!本丸のBloodaxeは下記のエスパー教室と被り行けなかった。ただアンチで観れて、血湧き肉躍る感じで良かった。”Defraud”マジでテンション上がりました。

 

9/23*『エスパー教室 Vol.2』新宿ヒルバレースタジオ

PSP Social

・Angry Son

会場の雰囲気含めてすごく良いライブだった。Angry SonはPortrayal of Guiltっぽい新曲を初めてライブで演奏したけどミスらないかヒヤヒヤした。

 

9/30『Back to School』初台Wall

・killie

・barbican

killie、実質の解散ライブ。自分が最も衝撃を受け、コロナ前は毎ライブに足繁く通っていたバンド。ただ、、個人的には”killie”の終わりを感じさせるライブでした。上書きし切れない衝撃を刻んでもらいました、ありがとうございました。

 

10/1『bite the dust』新宿Antiknock

・KNOSIS

・heaven in her arms

・bilo’u 

bilo’uとヘブンを観に行った。数年ぶりにbilo’u観たけど、最初から最後までかつての超絶技巧のままだった。”swallow a series of points”は本当の名曲だと再確認できた。ヘブンも神々しかった。

 

10/21『公園通りレコード インストアライブ』LINE CUBE SHIBUYA

山弦

大貫妙子

根本要

渡辺美里

槇原敬之

・ゆいにしお

・SETA

メタルとかハードコア全く関係ないライブに行くのが新鮮だった。山弦の2人と亀田誠治が楽器うますぎてギターとかベースからこんな音するんだと思った。マッキーの歌が聴けて満足です。

 

11/4*『SWARRRM “焦がせ” release show』新大久保earthdom

・SWARRRM

・kokeshi

・Seek

・Gensenkan

・The Bornbarfrust

SWARRRMレコ発東京編にして、自分もGensenkanで出演。まさかEarthdomでライブする日が来るとは、いやそれよりSWARRRMと対バンする日が来るとは思わなかった。”あがれ”やってくれたのマジで良かった。あと、楽屋にいるとき着てるTシャツ何?って聞かれて「イタリアの激情HCのSTORMOってバンドです」って答えたら「君オタクやな〜」ってshigeさんに言われたのが一番嬉しかったかも。

 

11/5『JESUS PIECE JAPAN TOUR』新宿Antiknock

・JESUS PIECE

・NUMB

・Otus

・Hostile Eyes

・View From The Soyuz

ほんとに全バンド良かった。View From The Soyuzが1番目だったけど、ライブ盛り上がりすぎてこのバンドのことめっちゃ好きになった。Otusも全部の曲でめちゃくちゃ暴れた。JESUS PIECEはフロアが怖すぎたのとベースとバスドラがユニゾンする瞬間冗談抜きに空間が揺れてて半端なかった。

 

11/12『leave them all behind』代官山Unit

・LITURGY

・ENDON

・RAY

・SOLVENT COBALT

・Otus

LITURGY来日するのか!と思って速攻でチケット買ったけどなんだかんだ一番楽しんだのは1番目のOtusかもしれない。Unitで観るOtusは音が本当に良くて素晴らしかった(思えば2019年のConverge来日@Unitの時も、一番楽しんだのはBLACK GANIONかもしれない)。とはいえLITURGYはそもそもライブを観れるバンドじゃないんだと思っていたこともあって、目撃できて本当に良かった。帰りに代官山でカレーうどん食った(美味かった)。

 

11/21『TOUR23 PHALARIS FINAL -The scent of a peaceful death』Zepp Haneda

DIR EN GREY

昨年リリースしたアルバム『PHALARIS』のリリースツアー。正直、アルバム自体は過去作と比べると普通かな、という感じだったのが、このライブを観に行って印象変わった。ライブは”御伽”から厳かに始まり、基本はアルバムの曲をやりつつも”咀嚼” ”Downfall” ”REPETITION OF HATRED”等の神曲をやっていただいた。何よりラスト”カムイ”で終わるのが美しすぎて、感涙。

 

12/3『エスパー教室 Vol. 4』新宿ヒルバレースタジオ

PSP Social

・John Tremendous' Soft Adult Explosion

ジョントレが見たくて再びエスパー教室へ。ライブで観ると本当に超絶技巧だなと思う。右利き用ギターを左持ちで弾いてるのすごい。あと、教室に飾ってあった壁新聞の企画が面白かった。

              

12/9*『PEOPLE’S TEMPLE Tour Final』戸田公園CORNER PRINTING

・PEOPLE’S TEMPLE

・THE VERTIGOS

・KAGAMI

・KLONNS

童子   

童子の初ライブ。コーナープリンティングというライブハウスがすごく綺麗で過ごしやすかった。童子でみんなが盛り上がってくれて嬉しかった。

 

12/16『evylock 25th & HELLNE 15th Anniversary』小岩Bushbash

・evylock

・HELLNE

・Arise in Stability

・kOTOnoha

・KRUELTY

Arise in StabilityとKRUELTYを同時に観れる機会ってあんまないなと思い観に行った。結論、全バンド良かった。Ariseも6, 7年前からライブを観ているけど本当に毎回すごい。超タイトなのに力が抜けている。”Blank That Won’t Exist”が名曲であるということを再確認した。KRUELTYはめっちゃ暴れた。HELLNEも初めて観たけど演奏がうますぎてビビる。

 

12/17『NEW REALM FEST』渋谷 Spotify O-NEST

fuse, sial, The BREATH, KLONNS, KRIEGSHOG, FIGHT IT OUT, ilska, WRONG STATE, M.A.Z.E., MINI MYTH, KAGAMI, Blow your brains out, MALIMPLIKI, DEATHRO, TRUE FIGHT, Tear Da Club Up, SOILED HATE, Tive, O.U.T., UMBRO, TAMAKI, Horsehead Nebula, Zenocide              

フェス。全部は観れてないんだけどとりあえずトッパーのSOILED HATEは相変わらずカッコ良かった。あと初めて観るTiveが凄かった。めっちゃカッコ良いのに、めっちゃ変。だからこそめちゃくちゃカッコ良い。ノリやすいし。”触れるものすべてと血を通わす”キラーチューンだ。

あと数年前のBlooaxeぶりに観るHorsehead Nebulaはがっつりブルータルで満足、初めて観るilska、Zenocideもライブカッコよくて衝撃。

 

追伸

新作に限らず言えば、3LAで購入したForget me notの『3つの終わり』が一番衝撃だったかもしれません。

あと、ぼざろとおにまいにハマってたので、『結束バンド』と『アイデン貞貞メルトダウン』はたくさん聴きました。今年はSanguisugabogg来日希望。

2022年ベスト

順不同です。昨年はTop10だったものの、別に10におさめる必要もないので13個です。

 

1. Terminal Nation & KRUELTY / The Ruination of Imperialism

米国アーカンソー州デスメタルバンドと東京のハードコアバンドKRUELTYのスプリット。OSDMムーブメントにも通じるようなTerminal Nationの脳天直下のサウンドは中毒性がある。2曲目の「Sacrificial Capital」は今年のデスメタル界におけるベスト曲。KRUELTYは2020年のアルバムも素晴らしかったが今回も安定感が凄い。

 

2. SATORU / GANGSTAR

世界のドリルラッパーSATORU。最初聴いた時は後半3曲のメロウさが意味不明だったが本人がMAKAのYouTubeで言っている通り聴いていくうちにこれもアリと思えた。割と「MOLLY」とかもハマって聴いている曲。トラックメーカーも変わりSATORU69とは全く別物のアルバムだが、地元のヤンキーから格闘界の悪役となった今のパブリックイメージ的にも今回の曲の方が合っていると思う。

【最高傑作出来ちまったよ】この男とんでもない次元に行っちまった。。【今回の動画は飛ばさずに最後まで見ていただきたい】SATORU 2nd album GANGSTAR 7/17 release!!! - YouTube

 

3. C.O.S.A. / Cool Kids

前作の「FRIENDS & ME」も最高だったが、パンチラインの強度とビートのクオリティが凄すぎる。ここまでリリックとトラックの雰囲気を一致させられる作品はないと思われる。「5PM」の曲名の通り、アルバム全体に漂う黄昏の空気感と彼のライフスタイルが詰め込まれた歌詞が素晴らしい。POP YOURSで生で観られた時は感動した。

 

4. DIR EN GREY / PHARARIS

今までのDIRのアルバムの中だとサウンド的には割とニュートラルなアルバムの印象で、激し目の曲から歌い系の曲まで幅広く備えている。DIRってこんな感じだよねという不文律が守られているという変わらなさが逆に安心するし、本人もそのことを意識していると思われる。どんどん「DIR EN GREY」の核のみ残してシンプルになっているなと感じる。「13」が個人的には一番好みで、25周年ライブで聴けてよかった。どうでもいいけどドラムのShinyaチャンネルおすすめです。

 

5. 老人の仕事 / 老人の仕事(2nd)

ドゥーム界の異端児。最近のヘビーローテーション。Weed系の洋ドゥームとは一線を画し、簡潔かつ浮世離れした音像は仙人の風格も感じさせる。必殺リフから躍らせる「月世界」がグッド。日本のドゥームといえばこれという世界観に仕上がっていると思う。

 

6. SOILED HATE / Nine Billion Names of Hate

東京のパワーバイオレンスバンドの待望のフルアルバム。2年前くらいから待っていた気がする。オーセンティックなパワーバイオレンスの様式に、近年のビートダウン/メタリックHC通過後のエッセンスを注入したハイブリッドな一作で、サンプリングのセンスも光る。暴力衝動の発散の仕方も巧拙あって、ここまで上手くできると羨ましい。

 

7. YOUNG HASTLE / HASTLE & FITNESS

ヤンハス好きだけどまさかベストに入るほど聴き込むことになるとは思わなかった。2022年新作フルアルバムにして、彼のライフワークである「筋トレ」をテーマにした一大組曲。自分は筋トレ全くしないが、単純に曲のクオリティがずば抜けていてそれだけでも夢中になる。筋トレと一言で言っても各曲で主題が微妙に異なっていて、肩メロンの作り方からドーピングの怖さ、なぜ筋トレをするのか?という永遠の質問への回答など、テーマは多岐にわたる。12曲めのWin or Loseは「自分に向き合う」という主題のもとかなり芯をついている歌詞で、まさかヤンハスの曲で感動するとは思わなかった。

 

8. Hawo Beats / HAWO LAND

これもめちゃめちゃ聴いた。日本のトラックメーカーHawoの名義で、MonyHorseやPETZ、Jin Dogg、JNKMNがラップしている。2021年のモニホのアルバムもそうだが、とにかく彼の浮遊感のあるトラックが癖になるし、客演も全員ハマっていて、一種のコンピレーションとしても楽しめる。15曲36分で、一曲の尺が短くコンパクト、あっさりなのもグッド。こんな良いのにYouTubeで全く再生されていなくて泣いた。

 

9. $uicideboy$ / Sing Me a Lullaby, My Sweet Temptation

今年聴き始めて最ものめり込んだ音楽が$uicideboy$。ルイジアナ州のラップデュオで、あり得ないペースで音源を出しまくっている。特筆すべきはドラッグ、自殺願望を描いた歌詞の鬱屈とした暗さ、攻撃的な音楽性だが、2022年にリリースされたこのアルバムは暗さを内包しつつもその外皮であるサウンドはメロウとなっており、一聴して穏やかな印象を受ける。例えば、リードトラックである「Matte Black」は正直かなりマイルドな音像となっており、そのまま聞き流すことも可能かもしれないが、「I’m 31, still don’t know how to take care of myself, honestly, I’m scared that I might melt」と歌うような鬱屈さは残存しており、一向に気分を明るくさせない。このリリックとサウンドのギャップによって、苦しむ自分を俯瞰で遠いところから眺めるような不思議なメタ視点が感じられ、音楽自体の独特な浮遊感に繋がっており、それこそが中毒性を生む要因なのだと思わせる。栄光も苦痛も「Ashes of Luxury」のようにいつか消え去るものであって、それらを超越して生きている感覚がこのアルバムに表れている。

 

10. $uicideboy$ & Germ / DIRTIESTNASTIEST$UICIDE

$uicideboy$の制作意欲は旺盛であって、一年に20曲もの楽曲が作られる。こちらは年の瀬に出た、共作の7曲入りEP。上記のアルバムとは打って変わってバチバチに不穏さを際立たせた攻撃的な楽曲が並んでいるのが嬉しい。イントロで神曲確定、細かいところに気持ちの良いフックを散りばめた「Champagne Face」も素晴らしいし、「The Serpent and the Rainbow」ので出しのAKIRAみたいなミニマルな音には衝撃を受けた。

 

11. SWARRRM & kamomekamome / SK split

柏の伝説的ハードコアバンドカモメカモメと、神戸のスーパーグラインドコアバンドSWARRRMのスプリット。kamomekamomeは2013年の「BEDSIDE DONORS」以来なので9年ぶりの新曲ということになるが、2曲とも凄すぎる。個人的に、「Happy Rebirthday to You」以降のアルバムは、好きなのだけど音像がハードコアに寄り過ぎている感が気になっていたが、今回はパワーのあるサウンドはそのままに「ルガーシーガル」期のリフがより押し出されたような音に仕上がっていて理想的だった。

 

12. Angry Son / Pranks for the Memories

東京の激情HCバンド。ツインギターの織りなすリフの圧倒的センスと曲構成の作り込まれ方が凄い。また、これまでの作品と比べるとリズム隊の音の重量感が増していて、より重厚な音像になっているのも雰囲気に合っていると思う。2曲目の「Transmit Failure」のコーラスが泣ける。

 

13. Gensenkan / skramz2022

4曲目の「Tomorrow」はめちゃくちゃ良い曲だと思います。

 

以上

 

$uicideboy$のように、衝撃を受けるような音楽があってよかったです。こういうのが毎年あれば良いなと思います。

2021ベスト補足

先日の2021年ベスト記事に入れなかったが、やっぱり入れればよかったと公開している音源を紹介します。

Hawo Beats, 3ch, Monyhorse - Hungry

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YENTOWN所属のラッパー、Monyhorseはトラップ系のトラックも多いのにどこかゆるい雰囲気を感じさせるのが好きだ。2019年の『TBOA JOURNEY』はどっちかというと好きな曲がいくつかあるという印象だったが、今回はアルバム全体通して素晴らしい。結構こういうスタイルのラップだと、アルバム中盤で中だるみしてしまう場合があるんだけど、このアルバムはその弱点をうまく克服していると思う。単体で聴いても素晴らしいんだけど、曲間の繋ぎがすごくスムーズで、アルバム全体で山あり谷ありの起伏をすごく自然に表現している。序盤の「Do It」でぐっとアクセルが入って、中盤の「So Good」で一気にメロウに幸福に発散していく流れが非常にいけてると思う。この多幸感がたまらない。そしてリードトラックの「料理」に繋いで行って、Elle Teresaとフィーチャリングした「I like」でリフレインする…ラップのアルバムでここまでアルバム全体の流れがしっかり練られているものってあまり思いつかない気がする(どうでも良いけどこの前のあらびき団にエルテレサ出てておもろかった)。ラップのスタイルも完全に独自で自由自在に炸裂してる。

 

↓インタビュー。私生活もゆるい(金はどうしてんだ)。

https://www.gqjapan.jp/culture/article/20200615-a-day-in-the-life-of-mony-horse

 

C.O.S.A. - FRIENDS & ME

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これも素晴らしい。愛知県知立出身のラッパーC.O.S.A.の7曲入りEP。『Girl Queen』や『Chiryu-Yonkers』でのシリアスかつスタイリッシュな楽曲群は好きだったが、この音源ではさらに進化してる。とにかく一つ一つのリリックが体感として聴いていて気持ち良すぎる。個人的に、前までの彼の楽曲については、シリアスすぎる曲とメロウ過ぎる曲に分かれる部分があり、温度感についていけないところがあったのだがこのアルバムでは客演が多いこともあってか押し引きのバランスが神がかっていると思う。冷めつつ燃焼しているという雰囲気があって感服してしまった。特に「Twinz」はある意味彼の一番のマスターピースなのではと思われるくらい歌詞と客演とトラックと全てが完璧だった。

 

↓ライブ動画。最初おもろい

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おまけ

最近のベストソングはこれです。とにかくカッコいい以外の言葉がない。

OVER KILL - HAHAHAHA Feat. JINMENUSAGI & SANTAWORLDVIEW

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最後のアウトロのとこちょっとAttilaっぽい(まぁAttilaの方が逆にトラップ的な手法を取り入れてるんだろうけど)

 

日記(2022/1/16)

昨年の年末休み以来、ずっと次描く漫画のことを考えている。割と長いものになるなと思っていて、構想(とか大それた表現するのも小っ恥ずかしい)をうまくまとめようとしているけど全然まとまらず気づいたら1月も半ばを過ぎた。

ずっと考えていると、ふとなぜ俺はこんなに漫画を描くことに焦っているのだろうと不思議になる。別に漫画なんて描かなくても、いやむしろ描かないほうがゆっくりと余暇を過ごせるはずなのに。なんでこんなに描かなきゃという気持ちがあるのか。

 

最近M1グランプリの舞台裏に密着した「M1アナザーストーリー」の2020年分を見ていたら、見取り図のリリィが大会から帰る途中にインタビューを受けていて、「毎年思うんですけど何でみんなこんな漫才に本気なんだろうって不思議になるんですよね。人の本気が表れたものってアートでもスポーツでも何でも人の心を打つと思うんですけど、俺らは何でそれが漫才なんやろ」と言っていて、それがずっと心に残っている。もちろん彼らに比べたら本気度とか熱意とかが違うだろうけど、こういうのって呪いなんだろうな。対象がそれであることの理由は特にないんだと思う。

2021 ベストアルバム10選

順不同です。

 

1. SANO EX MACHINA - Osaka Emoviolence Generation

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原初的かつ激重な音を叩きつける大阪出身エモバイオレンスバンドのフルアルバム。Orchid感のある焦燥感あるギターとがむしゃらなドラム、ボーカルが織りなす、難しいことを考えずひたすら暴れられる最先端かつトラディショナルな激情スタイル。ライブまた観たい。

 

2. Snag - Death Doula

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ウィスコンシン出身の3人組激情。疾走しつつ繊細なリフも引き出す楽器陣がすごい。これ以上音をクリアにすると今風になりすぎるというラインを跨がず、ぎりぎりショボく聞こえる音像を保っているのも良かった。ベースのフレーズがちょこちょこうまい。

 

3. Gulch/Sunami - Split

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ベイエリアのHCの雄が激突。Gulchは圧倒的に単純な力を見せつけるという目的のために、頭をフル回転して最適な曲展開とかを死ぬほど考えまくってるように聞こえる。近年のHCで最も爆発力のあったバンドだった。Sunamiは結構オールドスクールモッシュHCという感じだが心地よい荒々しさを提供してくれる。どちらにも共通するのは単純に聞こえるのにすごく作り込まれているという点。かっこいい。Gulchは解散してしまいました。

 

4. Seeyouspacecowboy… - The Romance of Affliction

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メタルコア的な音楽性で前作などは作られていたが、今作ではちゃんとサビがある曲もあって、キャッチーな部分がよく出ていると思う(歌みんなうまい)。なんか2000年代のメタルコアとかスクリーモみたいなことをやっているのに、価値観とか雰囲気ですごく新しく聞こえるバンド。

 

5. Kaonashi - Dear Lemon House, You Ruined Me: Senior Year

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12月に知って駆け込みでベストに入った。カオティックハードコアと言われており複雑な展開と甲高いボーカルのシャウトはそんな感じだが、TDEPとかと違って結構リフとかがメタルっぽくてそこが気に入った。ジェントを通過した後のカオティックハードコアって感じがする。メンバーのオタクっぽい雰囲気も好き。Jesus Pieceと同じフィラデルフィア出身。

 

6. SANTAWORLDVIEW & DJ BULLSET - In the Neighborhood

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横浜出身のラッパー。SANTAWORLDVIEWは今年3枚EPを出してシングルも出してという驚異的な作曲数だったが、その中でも個人的に一番と思ったのがこちら。ラップのスタイルはずっとぶれていないけど曲の雰囲気が多岐にわたっているのがすごい。ゴリゴリのトラップでもラップできるし浮遊感ある曲も似合うし、がっつり歌っても良いという感じ。最先端。

 

7. Leon Fanourakis - SHISHIMAI

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同じく横浜出身のラッパー。かなり英語的な発声なのもあるけれど、アルバムの作りがかなりメジャー的だなと思った。曲の雰囲気がバラエティ豊かだがきちんと一つ一つクオリティ高く、尺を長めにしている感じ。前回の凶暴な雰囲気も好きだけどこっちも良い。ライブ観たい。

 

8. YammieZimmer - TEMPLATE

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上記二人のトラックメーカーをやっているヤミージマーによるアルバムで、ゲストラッパーが多数参加。これは今年云々というより、人生で最も聞いたかも。彼独特のミッドテンポで妖しい雰囲気の曲が大好き。Henny Kや大神のラップもすごかった。ものすごく売れてほしい。

 

9. Ralph - 24oz

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またまた横浜出身のラッパー。前のアルバムはあまり好きでなかったけど今回はバチバチだった。SEEDAが客演した曲もかっこよかったし全編通じて彼独特の暗めだけど力の強いラップが聞けて最高だった。夜のアルバム。

 

10. Shurkn Pap - NEW ERA

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姫路のラッパー。ゴリゴリのトラップの曲もありながらも、J-POPをサンプリングした歌ものの曲で見せるスタイリッシュなメロディが最高だった。Jinmenusagiが客演してる曲も歌詞がすごい。ここまで歌でかっこいいと思わせるラッパーはいない気がする。

 

<まとめ>

今年は激情を聞きつつも、日本語ラップにハマってた。個人的にはSATORUを知れたのがよかったし、そこから6ix9ineも聞くようになって、好みがどんどんバカになってる気がする。

あとARKHAM、Lil Jもどハマりして年末はほぼそれしか聞いてなかった。

というわけで、今年のベストソングは上記のアルバムのどれからでもなく、ARKHAMのこちらの曲。

www.youtube.com

 

 

来年もよろしくお願いいたします。

Fear, and Loathing in Las Vegas - Dance & Scream (2010)

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このアルバム最近聴きすぎて困る。ベガスの1stアルバムで、シーンに多大なインパクトを与えた衝撃の音源。このアルバムの曲はホントに面白い。笑えるしカッコいい。「何だよこれ」って思うフレーズと曲展開で溢れてる。俺は最後の「Twilight」が一番好き。この後のアルバムもいいけど、若干チープさがありつつ未完成のエネルギーに溢れてるこの時代のベガスが良い

。最近よく思うことだけど、ダサくても良い音楽ってあるし、そういうのが一番中毒性強い。

今更?って思う人もいるかもしれませんが、とにかく聴いてください。

和田誠展に行く

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初台のオペラシティアートギャラリーに和田誠展を見に行った。和田誠丸谷才一村上春樹の装丁で何度も目にしていたものの、デザイナー、作家としての和田さんにはあまり触れたことがなかったので、その仕事の集大成がまとまっているということで楽しみにしていた。

到着してみると入場口には長蛇の列があり、ここまで混むのかと少し驚き。展示スペースは大きく2つに分かれており、特に入口すぐの展示場は和田さんの人生の流れと共に作品を俯瞰できる空間となっていて非常に頭に入りやすかった。和田さんの絵はのんびりしているイメージだが、美大時代の作品や似顔絵なんかみると結構写実的だったりスタイリッシュに描いてる作品もあったりして面白い。文春の表紙もパッと見て和田さんの絵とは思わないようなものもある。和田さんは20代いっぱいはデザイン会社に勤めていて、そこからフリーとして活動しているのだけれど、フリーに転身してから仕事の奔放ぶりに驚く。絵本を作ったりアニメを作ったり、作曲したりとマルチな活動をしていたのだ。絵から勝手にイメージしていた穏やかな人物像とは裏腹に、かなりエネルギッシュな人だったのだろう。

会場は写真撮影OK。

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↑『ねじ式』のパロディ、上手い

 

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手塚治虫主催の漫画雑誌『COM』の表紙が和田さん。宮谷一彦が描いている時代だ。

 

あと奥様が平野レミだったとは知らなかった。

 

人が多く疲れたのでギャラリー近くのコーヒー屋に入ったら祝日なのにお客さんが一人もおらず、ずっと讃美歌みたいな歌が流れていて怖かった。お爺さんのマスターが一人でやってたが、壁に若い頃の写真が掛けてあって複雑な気分になった。